古い一戸建ては、段差が多かったり、階段が急だったりするなど、高齢者や障害者にとっては住み続けるのに不便なことが多々あります。このような不便さを解消するための方法の一つが一戸建てのバリアフリー化ですが、これは一戸建ての所有者にとっては節税の効果をもたらすことにもなります。現在、一戸建てのバリアフリー改修工事を行うと、所得税については工事費用の1割に相当する金額を控除でき、固定資産税については床面積が100平方メートルまでの部分にかかる税額を3分の2に減らすことができます。ただし、減免を受けるには、改修工事を実施したことを証明する書類を用意した上で、所得税については確定申告を行い、固定資産税については工事完了後3ヶ月以内に減免申請書を提出する必要があります。

また、減免を受けるには居住者に関する要件と工事内容に関する要件を両方とも満たさなければなりません。居住者については、一戸建てに65歳以上の高齢者、障害者、要介護認定もしくは要支援認定を受けている者のいずれかが住んでいることが主な条件となります。工事内容については、廊下などの通路の拡幅、階段などの勾配の緩和、スロープの設置、浴室や便所の改良、廊下などへの手すりの取り付け、段差の解消、部屋の扉の取り替え、床の建材の滑りにくいものへの交換のうち、いずれか一つでも満たす工事であることと、工事費用の自己負担額が50万円を超えていることの2点が主な条件となります。固定資産税のみを減額させたい場合はこれらを満たすだけで十分ですが、所得税の減免を受ける場合はさらに、合計所得金額が3000万円以下であることや、改修工事後の床面積が50平方メートル以上になっていることなども要件になっています。

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