三階建て住宅は、建築用地を有効に活用できる住宅様式ですが、メリットが大きい分だけデメリットも多くあるのでデメリットの影響を最小限にできる間取りを考えるべきです。三階建て住宅は、二階建て住宅に比べて建物が高くなるので耐久性や耐震性を向上させる必要があり、マンションやビルと同様の構造計算が行われ必然的に高性能な基礎や構造材などの建築資材が使われるので建築費用が割高になります。二階建て住宅は、建物の高さがそれほど高くなく制限を受けることなく建築ができますが、建物が高くなると道路斜線規制や北側斜線規制など厳しい日照配慮規制を受けることが多くなります。また、建築用地の用途地域によっては、火の熱により膨張しても割れない耐熱板ガラス入鋼製はめころし窓の設置が必要な場合があり、生活臭が籠らない様に風通しをしっかりと検討した間取りにすべきです。
三階建て住宅は、上へ上へと積み上げているので健常者でも一階から三階まで何度も上がると息が切れてしまいますが、足腰が弱った高齢者には一般住宅の狭く急な階段は上がることができなくなるリスクが非常に高くなっています。その為、2階や3階の登り下りの方法を考えて間取りを決めるべきであり、階段昇降機やホームエレベーターが一般的です。ホームエレベーターは、一階から三階まで吹き抜け状態のスペースを確保する必要がありますが、階段昇降機なら階段幅を広めにして下地を施行しておくだけで比較的簡単に設置が可能です。